インコの病気を知っておこう!

保定されたインコインコの病気
保定されたインコ

インコがほぼ感染しているという「メガバクテリア」という病気について、以前記事にしましたが、今回はその他のインコの病気について紹介したいと思います。

そのう炎

●症状:嘔吐、食欲不振、多尿、出血、口臭 など

そのう(食べ物をためておく喉元あたりの袋)が炎症を起こしている状態です(そのまんまですね)。

真菌やカビなどが大量に増殖することで起こります。

に雛の時期に親鳥から感染することが多いそうです。

しかし人間が原因となってしまう場合もあり、例えば

  • 挿し餌で熱いものをあげてしまい、やけどをしてしまったとき
  • 米やパンなど人間の食べる炭水化物などをあげてしまったとき
  • 清潔な環境ではなかったとき
  • 古い餌を食べてしまったとき(夏場は残っていても廃棄推奨)

など、人間が注意しなければならないこともあります。

食べたものを吐いてしまったり、糞がなんだか水っぽいなと思ったら可能性がありますので、獣医さんにいって検査してもらいましょう。

PBFD

●症状:全身の羽が抜ける、羽軸が壊死する、クチバシの形がおかしくなる、消化器の異常、貧血 など

PBFDとは、Psittacine Beak and Feather Diseaseの略で、インコのくちばしや羽に異常が起こる感染症です。

この病気はインコやオウムにだけ発症します。

ウイルスによって引き起こされ、インコ同士の接触や糞、分泌物で感染します。

感染したインコは、羽が抜けたり変形したり、くちばしが割れたり変色したりするなどの症状が現れます。

ほとんどが免疫力の低い幼鳥の頃に発症し、3歳以降は発症しにくくなるそうです。

予防するためには、インコを定期的に健康診断に連れて行き、感染したインコとの接触を避けることが大切です。

また、インコのケージやおもちゃなどを清潔に保つことも重要です。

PBFDは感染率が高い病気で、獣医師会の学術論文誌「日獣会誌」に掲載された調査論文によると、動物病院やペットショップのインコ・オウム1070羽について感染の有無を調査したところ、陽性の割合は18.5%だったそうです。

メガバクテリア

●症状:嘔吐、下痢、体重減少、元気のなさなど

メガバクテリアとは、インコの胃に感染する細菌の一種で、消化不良や下痢、体重減少などの症状を引き起こします。(マクロラブタス、AGYなどともよばれます。)

簡単に説明すると、大きなバクテリアがおなかの中で栄養を横取りしてしまって、インコちゃん本体に栄養が行きわたらず、痩せて果てには亡くなってしまう・・・といった感じでしょうか。

現在流通しているインコの多くはすでに感染していると言われ、特にセキセイインコが感染すると2~3年で死んでしまうことが多いようです。

メガバクテリアは、他のインコにも感染する可能性があるので、早期発見と治療が必要です。

新しいインコをお迎えしたら、必ず検査を受けさせるようにしましょう。

ぴーたろう君は、お迎え時の健康診断でメガバクテリアの診断を受けましたが、まだ生後1か月だったので投薬2か月程度で完治しました。

毛引き

●症状:自分で羽をむしってしまう、皮膚を噛んでしまう

人間でも、「こころ」の病気がありますが、毛引きはインコちゃんのこころの病気です。

インコは、ストレスや不安、退屈などの感情が原因で、自分を傷つけてしまいます。これが「毛引き」です。

毛引きになると、インコが自分の羽や皮膚を引っ張って抜いたり、噛んだりしてしまいます。

頭の毛は普通にあるのに、首から下やお腹周りなどの毛が無いインコちゃんをインターネットなどで見たことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

頭の羽は、自分ではむしれないから残るんだ。

毛引きを防ぐには、インコに十分な運動や遊び、愛情を与えることが大切です。

また、インコの健康状態や栄養バランスにも気を付けましょう。

毛引きはインコの心と体の両方に影響する病気なので、早めに対処することが必要です。

海外の事例ですが、大型のオウムが毛引きになってしまったけど、毎日飼い主さんが音楽にノリノリで一緒にダンスをするのを続けたら、ストレスが解消されて治ったという動画を見たことがあります。

トリコモナス症

●症状:食欲不振、吐き戻し、くしゃみ・鼻水などの呼吸器症状

トリコモナス症とは、原生動物の一種であるトリコモナス原虫に感染することで引き起こされる感染症です。

トリコモナス原虫は、インコの口の中や食道、そのうなどに寄生して増殖し、食欲不振や吐き戻し、くしゃみや鼻汁などの呼吸器症状を引き起こします。

特にヒナや若鳥は免疫力が低いため、感染すると重篤な状態になることもあります。

トリコモナス症は、親鳥から吐き戻しでヒナに感染したり、感染鳥と水やエサを共有したりすることで伝播します。

そのため、感染したインコはすぐに隔離し、飼育環境を消毒する必要があります。

また、新しくインコをお迎えする際は、そのう検査などでトリコモナス原虫がいないか確認することが大切です。

トリコモナス症は早期発見すれば治療可能な病気です。

鳥クラミジア(オウム病)

●症状:くしゃみ、鼻水、目やに・下痢、食欲不振、元気がない

オウム病とは、鳥類に感染する細菌の一種であるクラミジア・プシッタシによって引き起こされる感染症です

オウム病は抗生物質で治療できますが、早期に発見することが重要です。

オウム病に人間が感染したら

オウム病は、人間にも感染します。

オウム病にもし人間が感染すると、潜伏期の後に突然高熱が出たり、頭痛や全身のだるさなどが出たりと、インフルエンザに似た症状が出るそうです。

咳や痰も出ることがありますが、それだけでは風邪と区別がつきにくいようです。

オウム病の特徴は、発熱しても脈拍があまり上がらないことや、肝機能障害が出ることだそうです。レントゲンで見ると肺に広範な影が出るそうです。

もし鳥を飼っていて、治りにくい咳や息苦しさなどの症状を感じたら、すぐに医者に行きましょう。

そして、鳥を飼っていることを医者に伝えてください。

必要以上におそれないで

「鳥を飼っている」と言うと、「オウム病は大丈夫なの!?」と言われることがあります。

私は実家に住んでいた頃も含めて何十年も鳥と共に生活していますが、オウム病にかかったことはありませんし、家族もかかった人はいないです。

確かに、オウム病は人に感染しますし場合によっては死亡することもあるようですが、常識的な日々のお世話を行い、清潔に保っていれば防止することができると考えています。

インコの体調不良のサインを見逃さないで!

インコは野生下では獲物として狙われやすい動物なので、本能的に弱っていることを見せないようにします。

そのため、体調不良が重くなるまで気づかないこともあります。

「様子がおかしい」と思ったときは症状が進んでいる可能性もありますので、1日でも早く鳥を診れる獣医さんへ連れていってあげましょう。

インコの体調不良のサインには、例えば以下のようなものがあります。

  • ふんが水っぽい、色が変わっている、臭いがする
  • 体温が低い、震える、羽を広げている、膨れている
  • 元気がなくて動かない、眠ってばかりいる
  • 呼吸が荒い、くしゃみや咳をする、鼻水が出る
  • しぐさや声が変わっている
  • 羽毛がぼさぼさで、目やくちばしが汚れている
  • 食欲がない、食べ物を吐く、水分摂取が多い

これらのサインを見つけたら、すぐに獣医さんに連絡してください。

インコの病気は早期発見・早期治療が命です。インコの健康と幸せのために、日頃から観察してあげましょう。

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